2026年2月10日火曜日

公式 note 3回目の投稿は「日本の林業と世界のワシ類 その3 イヌワシ」です。

2025年の新潟県におけるイヌワシの繁殖状況は、繁殖成功4ペア、繁殖失敗又は未繁殖6ペア、繁殖成功率0.400でした(2026年2月10日)。

  • 2025年、新潟県におけるイヌワシの繁殖成功率は0.400でした。
  • 内訳は、繁殖成功数(少なくとも1羽以上のヒナを巣立たせたペア数)が4、繁殖失敗数(1羽もヒナを巣立たせることのできなかったペア数)が6でした。
  • この他、踏査によって少なくとも巣立ち近くの時期まで育雛の痕跡が確認された1例は、繁殖成功の可能性が高いものの、調査不足等の理由で巣立ちした幼鳥が確認できなかったことから成功と断定できませんでした。
  • 2016年から2025年までの10年間の累積繁殖成功率は、0.448 [0.368-0.530]でした。
  • 内訳は、繁殖成功69、繁殖失敗又は未繁殖85でした。

2025年9月25日木曜日

木質ペレットの国内生産量が10年ぶりに減少!自給率も続落!

  • 2050年カーボンニュートラルの目標達成に向けて国産木質燃料の利用に期待がかかっています。
  • しかし、林野庁の統計データによると、2024年における木質ペレットの国内生産量は10年ぶりに減少しました。
  • 2014年までは50 %を越えていた自給率も2.4 %に低下しています。
  • 日本は古来より輪伐方式の萌芽再生林(いわゆる薪炭林)という持続可能な林業を編み出して燃料を自給してきました。
  • 戦争特需やパルプ生産などによるオーバーユースがたたって持続可能性に黄色信号が灯りましたが、1980~1990年頃には自然の力で回復し、再利用が可能になっていたと考えられます。
  • しかし、タイミングを合わせたように、主に奥山林を対象としていた天然林保護運動が薪炭林も含めるものに変容し、再利用を阻む一因になりました。
  • 今では萌芽再生の可能な期間を過ぎてしまった天然林が多くなり、幹が太り過ぎて伐採効率も低下したため、木質ペレットの生産も薪炭林の再利用も簡単ではありません。
  • この間に、カナダの原生林や、ベトナムの再生困難なほど短い伐採サイクルで生産された木質ペレットが大量輸入されているうたがいがもたれています。
  • 日本と木材輸入国双方の持続可能な林業を実現し、カーボンニュートラルに貢献するためには、森林生態学の専門知識に基づいた林業政策が必要です。また、専門家や行政だけでなく、バイオマス発電企業、木材商社、自然保護団体、そして国民が将来に対する責任を分かち合って行く必要があるのではないでしょうか。

2025年7月28日月曜日

シリーズ:イヌワシの狩り(8)ニホンザルの群れを襲う。
Series: Hunting Techniques of the Golden Eagle (8) Attacking a Troop of Japanese Macaques.
系列:金雕的狩獵技巧 (8) 攻擊一群日本獼猴。
Серия: Техники охоты беркута (8) Нападение на стаю японских макак.

  • 中南米に生息するオウギワシHarpy Eagle、アフリカに生息するカンムリクマタカCrowned Eagle、フィリピンに生息するフィリピンワシPhilippine Eagleなど、翼開長2mクラスの森林性大型ワシ類は霊長類を捕食することが知られています。フィリピンワシにいたっては、1995年の国鳥指定を機に改名されるまではサルクイワシと呼ばれていたほどです。
  • 人のいないシーズンオフのスキー場を登っていると、右に大きくカーブしたゲレンデの上の方からけたたましい吼声が近づいてきました。
  • 野犬の群れかと思って身構えていると、駆け下りてきたのは10数頭のニホンザルの群れでした。
  • サルの群れは、カーブを曲がらずにゲレンデ横切り、周りを囲むブナ林へ、次々に飛び込んで行きます。
  • 足の遅い仔ザルがブナ林へ入るのを見届けていた大きな大人のサルがブナ林へ駆け込もうとした瞬間、地表数メートルの空中をすべるように黒い塊が迫ってきました。
  • 大ザルがかろうじてブナ林へ逃げ込むと、黒い塊は一気に上空へ舞い上がり、翼を開いてオスのイヌワシに姿を変えました。
  • その後、つがい相手のメスも現れて、ブナ林の上空を徘徊しましたが、高さ2mもあるチシマザサの林床に阻まれてサルを捕らえることができず、ブナ林の向こうへ姿を消しました。
  • 別のイヌワシ生息地では、送電線の上空をたった1羽の幼いイヌワシが通りかかっただけで、送電線下の伐採地で採食していたニホンザルの群れは周りの森林に逃げ込みました。そして、イヌワシが飛び去っても、しばらくの間、1~2頭のサルが鉄塔に上って周囲を見張っていました。
  • このように、亜種イヌワシAquila chrysaetos japonicaも、他の森林性大型ワシ類と同様にサルを襲撃し、たびたび営巣中の巣へ運んでいる様子が目撃されています。

2025年7月17日木曜日

原著論文「生息地選択のモデル化における土地被覆と地形の間の相互作用の重要性(仮訳)」が公開されました。
The original article “Importance of interactions between land cover and topography in modeling habitat selection” is now available.
原始文章: 土地覆蓋和地形在棲息地選擇建模中的相互關係的重要性》已上載
оригинальные статьи: Важность взаимосвязей между растительным покровом и топографией при моделировании выбора местообитаний

  •  The original article "Importance of interplay between land cover and topography in modeling habiatat selection (Natsukawa et al. 2024" が公開されました。
  • 筆頭著者で新潟大学農学部助教の夏川遼生氏による概要の和訳も公開されました。
  • イヌワシの生息環境の保護及び改善を方向付ける上で非常に有益な論文ですので是非お読みください。
  • 以下、概要の和訳に記載された要約です。
    • 生物の生息地としての土地被覆の重要性は、その土地被覆が位置する地形条件によって異なる。
    • イヌワシが繁殖地を決定する際には「巣より標高の高い急傾斜地に位置する老齢林」の存在が特に重要である。

注目記事

2018年9月8日、イヌワシにも配慮した雪国観光圏スノーカントリートレイルがオープンしました!

雪国観光圏スノーカントリートレイルは、3県7市町村(新潟県:湯沢町、南魚沼市、魚沼市、十日町市、津南町、長野県:栄村、群馬県:みなかみ町)の山岳路、歴史ある古道、温泉地などをつなぐ全長307kmのロングトレイルコースです。 著名なアドベンチャーレーサーであり歴代コースディレ...