2025年7月28日月曜日

シリーズ:イヌワシの狩り(8)ニホンザルの群れを襲う。
Series: Hunting Techniques of the Golden Eagle (8) Attacking a Troop of Japanese Macaques.
系列:金雕的狩獵技巧 (8) 攻擊一群日本獼猴。
Серия: Техники охоты беркута (8) Нападение на стаю японских макак.

  • 中南米に生息するオウギワシHarpy Eagle、アフリカに生息するカンムリクマタカCrowned Eagle、フィリピンに生息するフィリピンワシPhilippine Eagleなど、翼開長2mクラスの森林性大型ワシ類は霊長類を捕食することが知られています。フィリピンワシにいたっては、1995年の国鳥指定を機に改名されるまではサルクイワシと呼ばれていたほどです。
  • 人のいないシーズンオフのスキー場を登っていると、右に大きくカーブしたゲレンデの上の方からけたたましい吼声が近づいてきました。
  • 野犬の群れかと思って身構えていると、駆け下りてきたのは10数頭のニホンザルの群れでした。
  • サルの群れは、カーブを曲がらずにゲレンデ横切り、周りを囲むブナ林へ、次々に飛び込んで行きます。
  • 足の遅い仔ザルがブナ林へ入るのを見届けていた大きな大人のサルがブナ林へ駆け込もうとした瞬間、地表数メートルの空中をすべるように黒い塊が迫ってきました。
  • 大ザルがかろうじてブナ林へ逃げ込むと、黒い塊は一気に上空へ舞い上がり、翼を開いてオスのイヌワシに姿を変えました。
  • その後、つがい相手のメスも現れて、ブナ林の上空を徘徊しましたが、高さ2mもあるチシマザサの林床に阻まれてサルを捕らえることができず、ブナ林の向こうへ姿を消しました。
  • 別のイヌワシ生息地では、送電線の上空をたった1羽の幼いイヌワシが通りかかっただけで、送電線下の伐採地で採食していたニホンザルの群れは周りの森林に逃げ込みました。そして、イヌワシが飛び去っても、しばらくの間、1~2頭のサルが鉄塔に上って周囲を見張っていました。
  • このように、亜種イヌワシAquila chrysaetos japonicaも、他の森林性大型ワシ類と同様にサルを襲撃し、たびたび営巣中の巣へ運んでいる様子が目撃されています。

2025年7月17日木曜日

原著論文「生息地選択のモデル化における土地被覆と地形の間の相互作用の重要性(仮訳)」が公開されました。
The original article “Importance of interactions between land cover and topography in modeling habitat selection” is now available.
原始文章: 土地覆蓋和地形在棲息地選擇建模中的相互關係的重要性》已上載
оригинальные статьи: Важность взаимосвязей между растительным покровом и топографией при моделировании выбора местообитаний

  •  The original article "Importance of interplay between land cover and topography in modeling habiatat selection (Natsukawa et al. 2024" が公開されました。
  • 筆頭著者で新潟大学農学部助教の夏川遼生氏による概要の和訳も公開されました。
  • イヌワシの生息環境の保護及び改善を方向付ける上で非常に有益な論文ですので是非お読みください。
  • 以下、概要の和訳に記載された要約です。
    • 生物の生息地としての土地被覆の重要性は、その土地被覆が位置する地形条件によって異なる。
    • イヌワシが繁殖地を決定する際には「巣より標高の高い急傾斜地に位置する老齢林」の存在が特に重要である。

注目記事

2018年9月8日、イヌワシにも配慮した雪国観光圏スノーカントリートレイルがオープンしました!

雪国観光圏スノーカントリートレイルは、3県7市町村(新潟県:湯沢町、南魚沼市、魚沼市、十日町市、津南町、長野県:栄村、群馬県:みなかみ町)の山岳路、歴史ある古道、温泉地などをつなぐ全長307kmのロングトレイルコースです。 著名なアドベンチャーレーサーであり歴代コースディレ...