2023年3月17日金曜日

次期生物多様性国家戦略案の意見募集に応募しました。

  • 令和5年1月30日から2月28日まで、環境省 次期生物多様性国家戦略(案)に関するパブリックコメントの募集が行われました。
  • 環境省報道発表によれば、同案は、2030年までに自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させるためのロードマップと位置付けられています。
  • 新潟県イヌワシ保全研究会では、上記ロードマップの実現に協力するため、パブリックコメントに応募し、以下4項目について提案を行いました。

  1. (行動目標1-1-3 国立公園等の利用計画と規制計画のバランスについて) 国立公園等(国定公園及び県立自然公園を含む)は適正な利用計画と規制計画のバランスの上に成り立っていなければなりません。利用計画については2-2-3から2-2-5に具体的な施策及び数値目標が掲げられています。一方、規制計画については1-1-3に目標が1例示されたのみであり、利用者の増加にともなって野生生物の生息・生育環境に対する影響も増大することが予測されます。また、近年、国立公園等特別地域において利用者によるイヌワシの繁殖阻害事例が多発していることもふまえて、1-1-3に下記の内容を追加していただきたくお願いします。
    •  地域の自然状況を熟知したNGOや民間事業者等を活用し、国立公園等の利用による希少野生生物への影響を把握すること。 
    •  イヌワシの存続を図るため、必要に応じて「猛禽類保護の進め方(改訂版)ー特に、イヌワシ、クマタカ、オオタカについてー」を準用し、時期を限定した利用調整地区の指定等、適切な措置を講じること。 
    •  県立自然公園条例に利用調整地区条項のない都道府県については条例の改正を行うこと。
  2. (行動目標1-2-7 森林計画に関する文章の追加について) 次期国家戦略案では、現行の国家戦略145ページに書かれていた下記の文章が削除されています。「イヌワシ、クマタカについては、各地の国有林において、生息環境等の調査及び巡視を実施するとともに、必要に応じて、営巣地周辺の人工林において、採餌等に適正な空間・照度を確保するための列状間伐等抜き伐りを実施し、生息・生育環境を整備します。」(以下当該文章)この森林整備事業及び民有林を含む類似事業では、採餌環境が改善されただけでなく、食物網を通じた生物多様性への理解が深まり、多様な主体による連携が実現する等の効果がありました。また、アンブレラ種を指標にした環境整備事業の普及は、森林国日本における30 by 30の達成に大きく貢献することが期待されます。一方、環境省「イヌワシ生息地拡大・改善に向けた全国目標」に示されたとおりイヌワシの減少が続いていること、人工林が間伐適期から主伐適期へ移行したこと、天然生二次林の利用停滞も生物多様性の劣化に関連すること等の課題があります。つきましては、当該文章の「人工林」を「人工林並びに天然生二次林」に、「列状間伐等による抜き伐り」を「帯状又は群状の伐採ないし列状間伐等による抜き伐り等」に書き換える等の修正をした上で、1-2-7に追加していただきたくお願いします。
  3. (行動目標1-3-1 鉛製銃弾に起因する鉛中毒の防止について) 本条項を高く評価します。なお、鳥獣被害も深刻であることから、非鉛製銃弾への切り替えに伴う認定鳥獣捕獲者等の負担軽減にもご留意いただきたくお願いします。
  4. (行動目標2-4-4 風力発電施設のバードストライク対策について) 本条項を高く評価します。また、バードストライクの発生しない構造の国産風力発電機の普及又は開発に民間事業者と連携して取り組んでいただきたくお願いします。



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